アイドルと恋愛に関する一考察

久しぶりのブログ投稿。決して忘れていたわけではない。書きたいことが特に無かっただけだ。

今回は今話題のアイドルと恋愛の関係について書いてみたいと思う。自分が男のアイドルオタクであるために男としての目線でのみ書くが許してほしい。

先日、ももいろクローバーZの高城れにが結婚を発表した。お相手は日本ハムファイターズの宇佐見真吾選手だ。世間はこの結婚を概ね祝福し、これからのアイドルのあり方として「結婚してもアイドルを続けることは正しいよね」という認識が広まっていることを感じさせた。

また、その数週間後には週刊文春にAKB48の岡田奈々の熱愛報道が掲載された。この報道に対しては先ほどの高城れにの結婚とは対照的な反応を世間は見せ、最終的に岡田奈々はAKB48卒業(卒業より中退って感じだけど)することとなった。

この違いは何から生じるものなのか。単にAKB48が「恋愛禁止」という看板を前面に掲げていて、ももクロはそうではないからというだけなのか、自分の頭を整理する意味でも以下に自分の考えを記述していく。

岡田奈々について

岡田奈々はAKB48きっての真面目キャラだった。

岡田奈々はAKB加入当初から、同期の小嶋真子・西野未姫とともに三銃士と呼ばれ人気を博し、運営からも推されてきた。小嶋真子や西野未姫が悪態をつくキャラクターだった(最初は違ったかもだけど)のに対し、岡田奈々はいつでも誰に対しても丁寧に接していてその真面目さがAKBINGO!というテレビ番組でも特集されるほどだった。

小嶋真子・西野未姫は何回かスキャンダルや流出によってAKB48としてあるまじき(とされている)行動を取っていることが明らかになり、たびたび問題になってきたのに対し、岡田奈々は今の今までなんの問題も起こさなかったことからファンからの信頼は厚かった。

なお、小嶋真子のスキャンダルはめちゃめちゃ笑っちゃうほど下品で元気が出るので1度検索してみて欲しい。「小嶋真子 金玉ボウリング」で検索をかけるととても面白いものが見られるはずだ。ちなみに、AKB48グループ御用達のSHOWROOMという配信プラットフォームのコメント欄では「おっぱい」のような下ネタや「死ね」のような中傷する言葉ともに「ボウリング」がNGワードに指定されており、入力すると自動で伏せ字になってしまう。SHOWROOMで配信者にボウリングの話をしたいと思って「○○ちゃんとボウリングやりたい!」と送っても、配信者からは「○○ちゃんと☆☆☆☆☆やりたい!」とうつってしまうため、セクハラ親父と認定される可能性がある。注意されたし。

小嶋真子の話はどうでもよくて、言いたいことは岡田奈々はとにかく真面目でクリーンなアイドルとしてファンからは認識されていたということだ。

その認識はおそらく運営も同じで、STU48が発足した際には教育係として派遣され初代キャプテンを任されたり、同期2人がなし得なかったAKB48全体のセンターを2回も任されたりしていた。ちなみにAKB48は今までに62枚シングルCDを出しているが、そのなかでセンターを複数回務めたメンバーは歴代でも10人しかいない。

そんな岡田奈々のクリーンなイメージがファンの中で強固となった出来事が、第9回AKB48選抜総選挙における岡田奈々自身の発言だ。

第9回AKB48選抜総選挙では指原莉乃の前人未到の3連覇や渡辺麻友の卒業発表などトピックは様々あったのだが、多くの人の印象に残っているのは第20位にランクインした須藤凜々花の結婚発表だけだろう。詳細は各々調べて頂きたいが、簡単に書くとAKB48メンバーにおける1番の晴れ舞台で須藤凜々花は「自分は結婚します」と発表してしまったのだ。

この異常事態に、第19位にランクインした峯岸みなみは「何を言っても記事にならんやん」と発言してなんとか場を和ませようとするものの、ファンの怒りやフラストレーションは収まらずTwitterは大炎上。次の日からのワイドショーは須藤凜々花一色となった。

そんな中注目されたのが、岡田奈々の発言だった。過去最高の第9位にランクインした岡田奈々は壇上で「スキャンダルがあり、それをネタにして這い上がるメンバーがいます。そういう人がいてもイイと思いますが、それを真似してイイと思わないし、真面目にやっても48グループのトップを取れると思っています。真面目にやってる人が報われるようにしたい」「これからは48グループの風紀委員長を目指して頑張りたいと思います」(引用元:https://www.oricon.co.jp/news/2092617/full/)と発言した。

この発言は第11位にランクインした高橋朱里の涙ながらの結婚発表批判とともに熱烈にAKB48ファンから支持され、岡田奈々は大丈夫、岡田奈々は恋愛しないというファンの認識は強まっていった。

また、岡田奈々は恋愛しないだろうという認識には別方面からの理由もあった。それは岡田奈々の性自認がバイセクシャルであることだ。

いやまあ、バイセクシャルだからといって恋愛しないとかではないんだけれど、女の子との恋愛は恋愛に含まれない的なところがアイドルオタクにはあるらしく(おそらく身体女性同士の恋愛は劣等感を刺激されないからだろう)、むしろ微笑ましくさえ思われるくらいなのだ。もっというと、バイセクシャルなら男性のことも好きになることはあるだろうが、なぜかバイセクシャルと言われると男は好きにならなさそうといったおかしな認識をファンは持ってしまうようだ。岡田奈々がボーイッシュな見た目をしていることも理由の1つかもしれない。

岡田奈々は村山彩希(むらやまゆいり)というAKBのメンバーのことが好きであると公言し、この2人はゆうなぁという愛称で親しまれている。この2人に向井地美音、茂木忍を加えた4人で、「ゆうなぁもぎおんチャンネル」なるYouTubeチャンネルを運営しこれまた人気を博している。ちなみに、今回のシングル曲では茂木忍が自身初めての選抜入りを果たし、選抜常連の残りの3人を含め初めてゆうなぁもぎおん全員が選抜入りしたシングルとなった。そんなタイミングでのこれだから、運命っていうのは意地悪だ。

つらつらと書いてきたが、このような理由でAKB48ファンは岡田奈々に対して恋愛をしないという点で全幅の信頼を置いており、その信頼が今回の報道によって裏切られてしまったことに対して怒っているのだろう。信じていたのになんでなんだ!という感情になってしまうのもわからなくはない。

高城れにの結婚について

では、高城れには恋愛しないという点において信頼がなかったのかというとそれは違うだろう。ももいろクローバーZはAKB48のような恋愛禁止を全面に売り出してきたグループではないが、有安杏果が卒業しお金持ちの中年男性と付き合っていると報道が出た際はそこそこ叩かれていたイメージがあるし(叩かれた理由はそれだけではないようだが)、恋愛ウェルカムなグループなわけではなさそうだ。また、今までももクロメンバーのスキャンダルが出たことは1度もなく(少なくとも大きいものは)、そのスキャンダルの無さがファンの誇りでもあったようで、実際にそれを誇っている人を現実でもネット上でも多く見てきた。

それではなぜ高城れにの結婚は祝福されたのか。

アイドルの結婚の前例としてはNegiccoの3人やでんぱ組の古川未鈴らがいる。彼女たちの結婚発表も概ね皆から祝福された。これだけ書くと交際ではなく結婚だから祝福されるのかと感じてしまうが、先述した通り須藤凜々花の結婚を祝福したファンはほとんどいなかった。

それでは、自分から発表したか週刊誌に撮られたかの違いではないかという考えも出てくる。これは概ね正しい気がする。だがしかし、今ももクロの百田夏菜子のスキャンダルが出てもそこまで炎上しない少なくともグループ脱退とまではいかないような気もするがあなたはどうだろうか。どうだろうかって言われても知らねーよとしか言いようがないですよね、すみません。自分は炎上しないような気がするんです。

2つのアイドル像

この違いはどこから生まれるのか、やっぱり「恋愛禁止」の看板が原因だろう。

そもそもAKB48をはじめとするアイドルがなぜ恋愛禁止なのか、それは現代のアイドルビジネスの多くが、ファンがアイドルに疑似恋愛をするという構図によって成り立っているからだ。

まあ、自分はそうじゃない!と主張するアイドルオタクも多いと思うが、少なくともアイドル運営は疑似恋愛の構図を利用している。AKBや乃木坂などは恋愛シュミレーションゲームを作っているし、握手券商法なんて疑似恋愛を利用している最たるものだ。疑似恋愛は言い過ぎにしても「AKBが描くアイドルは理想の女性像の具現化である」という意見に異を唱える人は多くないだろう。まあ、それと疑似恋愛は背中合わせだと思うけど。岡田奈々は真面目だから「アイドル=理想の女性像」を貫こうとしていたんだろう。あのスキャンダル批判発言も「アイドル=理想の女性像」を崩すものだという認識から生まれたものだろう。

それでは、ももクロはどうだろうか。ももクロはあまり恋愛ソングのようなものを歌わないし、握手会もやらない(初期はやってたけど)。また、メンバーもアイドルとしてはもう若くなく、長年ファンの前で活躍し人間性をさらけ出してきた。運営も意図的に疑似恋愛を利用するような構図を作らなかった(特に高城れには雑な扱いされるキャラクターにされてたし)。また、ももクロ運営はかねてからももクロは長く続けていきたいとの旨の発言をしているし、メンバーが将来の結婚に言及することもあった(https://entamenext.com/articles/detail/2636/2/1/1)。これらの経緯によって、高城れには「理想の『女性』像」としてのアイドルではなく「理想の『人間』像」としてのアイドルてしてファンに認識されていたのではないだろうか(ちょっと強引か…)。

異性として好きなのであれば、誰かのものになるのは悔しい。学生時代女性から邪険にされてきたアイドルオタクならば尚更だ。

しかし、人間として好きなのであれば付き合ったり結婚したりして幸せになっていくのを見届けたいと思うのはごくごく自然だろう。

つまり、岡田奈々は「理想の『女性』像」としてのアイドル、高城れには「理想の『人間』像」としてのアイドルであったために2人の恋愛に対する世間の反応は異なった、そしてそのアイドル像の差異は運営の方針や売り出し方などによってファンとともに醸成されていったと考えていいと思う。

これからのアイドルについて

じゃあ岡田奈々に人間としての魅力がなかったかと言われたらそんなことは絶対にない。岡田奈々には女オタクも多く、岡田奈々の人間性を支持するオタクも多かった。AKBグループ内での信頼も厚く、岡田奈々を慕うメンバーも多いと聞く。

では、なぜ岡田奈々の恋愛は許されないのかと言ったらその原因はやっぱり恋愛禁止という看板なのだろう。そりゃ、悪法もまた法なりだ、いくら人間として好きな人でもルールを破っていることは看過できないとなるのはわかるし、そのおかしなルールを守っていないことで人間性が低く評価されてしまうこともあるだろう。AKB48は実は恋愛禁止じゃないとか、秋元康は恋愛禁止と言ったことがないとかいろいろ言われるけど、恋愛禁止の看板を掲げて売れたことは事実なので恋愛禁止やめます!と明確に宣言しなければAKB48=恋愛禁止というイメージは無くならない。もし実際にAKB48が恋愛禁止ではないのならば、スキャンダルで今猛烈に叩かれている岡田奈々をちゃんと運営は守るべきだし。恋愛禁止っていうと人権的にアレだし、恋愛OKっていうとファンは離れるだろうから、表立っては恋愛禁止とは言わないけどスキャンダルが出たメンバーをファンに叩かせることで恋愛禁止な雰囲気だけ保とうとかいう考えをAKB運営が持ってるなら、アイドルのことを何も考えていないんだなぁ、クソだなぁと思うだけですね。

もちろん恋愛禁止をやめたらAKBのファンは減るだろう。日本にアイドル文化が生まれて以来続いてきた恋愛禁止という掟。それを無くすのはそう容易ではない。しかし、10年以上アイドルとして頑張ってきてファンを楽しませてきた岡田奈々が恋愛したくらいの些細なことでこんなにも批判されるのは見るに堪えないよ…

岡田奈々のスキャンダルが出たときに自分が思い出したのはモーニング娘。の「恋ing」だ。この曲名は「恋愛(i)NG」と「恋進行形」をかけたもので、恋愛することを忘れてしまった人が夢中になれる恋愛を見つけるという歌だ。岡田奈々が真面目なキャラクターにがんじがらめになりながらもようやく見つけられた夢中になれる恋愛を咎める権利が誰にあるのだろうか。

また、朝井リョウが書いた「武道館」という本も思い出した。この本は武道館公演を控えたアイドルがアイドル活動を取るか自分の恋愛を取るかという葛藤が描かれている。アイドル=恋愛禁止という世間の風潮なんて一時の価値観でしかないということを思い知らされる本だ。

岡田奈々はAKB48内での歌唱王を取るほどの歌唱力を持っていたし、AKB48史上最難度のダンスナンバー「根も葉もRumor」のセンターを務める程のダンス力もあった。皆に愛される人間力もあったし、沢山のオタクに笑顔を届けてきたはずだ。

もちろん、ファンの信頼を裏切ったのは事実だ。風紀委員長を目指すと言った人間がスキャンダルを起こすなんて何事だという意見もよくわかる。しかし、真面目な人間でも人間なのだ。ファンの信頼よりも自分の幸せを取りたくなる時がある。そういう理屈とか理性とかそんなんで測れないのが、綺麗事だけでは生きていけないのが人間だってことはみんな心の何処かではわかっているだろう。そういう人間の俗っぽさが嫌だからアイドルが好きって人もいるだろうからね、簡単には言えないけど。

少なくとも岡田奈々がこれまで真面目に真摯に頑張ってきた事実は消えないし、消しちゃいけない。岡田奈々を批判する人達はこのことをほんの少しでも頭の片隅でもいいから置いといて欲しいと思う。

兎にも角にも、アイドルは恋愛禁止というルールはアイドルが人間であり1人の女性である以上、アイドルの持続可能性という観点においては害悪でしかない。アイドルはできる期間が短く儚いからいいんだって価値観はわからんでもないけど、その価値観によってアイドルの若さだけが消費されていくのは間違っていると僕は思う。

これからのアイドルは「異性」としての魅力を疑似恋愛という形で売るのではなく、「人間」としての魅力をパフォーマンスで売っていって欲しい。

自分は努力が報われるのがアイドルの素晴らしさの一部だと信じている。それなのに自分の幸せを犠牲にすることが努力だと言われてしまうと虚しくなってしまうよ。

アイドルが「理想の女性像」を描くものではなく、「魅力溢れる人間」をありのままに曝け出す存在に変わっていって欲しい。難しいことかもしれないが、それをできる可能性をNegiccoやでんぱ組、ももクロは示してくれている。AKBをはじめとする秋元康グループ、そして日本のアイドルは変容を迫られているのではないだろうか。

そんなことを一連のアイドルの恋愛事情を見て考えた。まあ、そんなうまくいかないことはわかってるけどね。内容全然まとまってないし。僕だって推しの恋愛見たら病むだろうし。

次回の更新はもっとポップにやりたいです。

それでは次回の更新も何卒。

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